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ゲーム機の価格は日本の1.5倍!アフリカ・モロッコの家庭用ゲーム販売事情って? - Game*Spark

時にその名前の雰囲気からモンゴルやモナコと間違えられるモロッコは、ジブラルタル海峡を挟んでスペインの対岸に位置する北アフリカの国です。

アフリカなので物価は大層安いと思われる方も多いかと思いますが、肉や野菜などの生鮮食品は日本の価格と比較するとかなり安いものの、輸入品となるとびっくりするほど高くなります。

日本では多くの子どもたちが持っているニンテンドースイッチも、モロッコでは手にしている子どもを目にしたことがありません。モロッコではPCゲームやスマートフォンのゲームが主流であるのも一つの理由ではありますが、ゲーム機が相当高いためというのがおそらく原因かと思います。

なぜ急にモロッコ……?と疑問に思った読者も少なくないと思いますが、筆者は縁あって昨年より日本から遠く離れたモロッコからGame*Sparkで深夜帯の記事更新に参加することになりました。(日本の午前0時がモロッコだと前日の午後4時になるくらいの時差があります。)

せっかくゲームメディアで仕事をするのだから……ということで、モロッコのゲーム事情はどんなものかと興味津津でゲームを売っているお店に行ってみました。訪れたのはモロッコのフェズという街にあるショッピングセンター内のVirgin Megastores。現地1月1日に行って来ました。


店に入るとニンテンドースイッチが並べられていました。


モロッコでは基本イスラム暦で祭事が行われるので、西洋暦の年末年始は官公庁以外、通常稼働。年末年始であることを忘れてしまうほど街は日常感いっぱいですが、ちょっと前までプリンターが並べられていた場所にニンテンドースイッチがディスプレイされているのは、やはり季節柄ということなのでしょう。価格はDH4,290(約50,200円)。日本での定価と比較するとなんと1.5倍以上です。

ちなみに、モロッコの平均月収は約4円~5万円。地方の人の月収も含められていると思われるので都市部に至ってはもう少し高いかと思いますが、軽く月収レベルです。
こんなに並べて買う人はいるのかこちらが不安になってきます。店員もどうせ買う人いないでしょ、という雰囲気でのんびりしているように見えます。

ニンテンドースイッチ ライトはDH2,890(約33 ,813円)。こちらも1.5倍以上の価格でした。


左手をみやるとPlayStation 4と『FIFA20』のセットが並べられていました。モロッコ人はサッカーが大好きなため、ゲームも『FIFA20』が人気の様子です。先日、20代のモロッコ人男性に聞いたら、ゲームはゲーム機を持っている友人の家にみんなで集まってやるとのこと。やはり、人気はサッカーゲームが多いそうです。


PS4(1TB)と『FIFA20』のセットでDH3,999(約46,800円)。PS4(1TB)と一ヶ月のPlayStation Plusの利用権、『コール オブ デューティ ブラックオプス 4』『Crash Bandicoot N. Sane Trilogy Hang Eight』のセットでDH4,499(約52,700円)、PS4(1TB)と『コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア』のセットはDH4,599(約53,800円)、PS4(500GB)と『Horizon: Zero Dawn』『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』『グランツーリスモSPORT』『フォートナイト』がセットになったMEGA PACKはDH4,099(約48,000円)でした。

ニンテンドースイッチと比較するとゲーム付きでこの価格だとかなり安く感じてきますが、日本と比べるとやはり高い。Amazon初売りセールでPlayStation VRもセットになったものが46,000円で販売されていたということを考えても割高感がぬぐえません。いずれにしても、モロッコ人にとっては、かなりの高級品であろうことが伺えます。

なお、Xbox One本体は足を運んだ店舗では販売されておらず、コントローラーだけがDH790(約9,300円)で売られていました。


次にソフト売り場へ。PS4のソフト売り場では、ここでも『FIFA20』押しの様子。DH890(約10,500円)と日本の定価の1.2倍です。
『フォートナイト』DH399(約4,700円)、『バトルフィールドV』DH549(約6,450円)、『ボーダーランズ3』DH779(約9,700円)、『DEATH STRANDING』DH859(約10,100円)というおなじみのゲームも並んでいます。


モロッコはアラビア語またはフランス語が標準語になりますが、パッケージは全て英語のため目新しさはありません。パッケージにアラブ感があれば、日本でも見かけることのない貴重な情報になるかと思いましたが、普段から英語圏の情報を追っている人にはあまり新鮮さはないかもしれませんね。

Xbox Oneも同じく『FIFA20』押しで、価格はDH890(約10,500円)。


ニンテンドースイッチの『フォートナイト』はDH390(約4,600円)、日本では販売されていない『Mortal Kombat 11』はDH799(9,400円)。


ソフトは1.5倍とまではいかないものの、それでも総じて日本と比較すると割高ですね。

途中、お父さんを連れた小学生くらいの少年がニンテンドースイッチが欲しいとアピールしていましたが、「へえ、そうなんだ」くらいの感じで流されていました。お金を出す側からすれば、そんな気持ちになるのもわかりますとも。

いずれもそれほど多くのタイトル数を扱っているわけではありませんが、ニンテンドースイッチよりPS4とXboxのソフトの方が多く扱われていました。一方、付属品については、ソフトとは異なりニンテンドースイッチが充実していました。


コントローラーで種類が多かったのはPS4用。『フォートナイト』バージョンはDH890(約10,500円)。


平均月収を考える高価過ぎると言っても良いゲーム。20代でも友人の家に集まってゲームをするというのも頷けます。売っているけれども手がでない。モロッコではゲームはかなり高級な娯楽であるようです。

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