今やアップデートでゲームをよりよくしていくのは珍しくなくなった。そこで本企画「あのゲームは今!」では発売から1年以上経過したゲームを対象に、内容がどの程度変わったのか、問題とされていた点はどうなったのか、という部分にフォーカスしてあらためて紹介していこうと思う。
第4回は、2019年11月18日「再生の日」に1周年を迎えた『Fallout 76』だ。
『Fallout 76』のレビュー当時の評価は?
「Fallout」シリーズ初のオンラインゲームとなった本作。2018年のベセスダE3プレスカンファレンスにて発表されたときには大いに注目を浴びた。しかし、リリース前のベータテストではバグの報告が相次ぎ(テストだからよいとはいえ)皆が期待と不安をつのらせた。そしてリリース後のIGN JAPANにおけるレビュースコアは7.6と、高評価が続くシリーズにとっては厳しめの採点となった。
レビューで主に評価されたのは「みんなで遊べる」といったパーティーゲームライクな点にあり、大きな不満点は「多すぎるバグ」に集約されている。私は本誌における当時のレビュアーではないがおおむね同様の評価だ。付け加えるなら「確かなおもしろさはあるのに運営の姿勢がそれを台無しにする」といった所感だったが、1年経った今、あらためて作品舞台のアパラチアを眺めるとずいぶん印象が違ってくる。なお、確認のためのプレイはPC版で行っており、月額課金制の「Fallout 1st」には加入せずプレイしている。
まずは当時のレビューにおいて評価されていたものと不満となっていたものを並べよう。
- 偶然出会ったプレイヤーと記念撮影するのが楽しいロケーション
- みんなでクリーチャーを狩る楽しみ
- メリットがなくとにかく不毛な対人戦
- サーバーから切断されたりフリーズしたりフレンドとチームを組めなかったりと盛りだくさんのバグ
- それぞれのクエスト進捗がバラバラで1人で遊ぶのがベスト
1年経った今、上記の評価がいかに変わったかを記していこう。
安定化したプレイと拡充されたレイドコンテンツ
サーバーから頻繁に切断されることはなくなり、バグもずいぶん減ってプレイは安定したものになった。仕様面でも、以前はプレイヤー同士のキャンプ設置位置がコンフリクトするとあとで置いた方に上書きされてしまっていたがそれも解消された。
キャンプには自動販売機を設置できるようになり、泥臭くほかのプレイヤーと顔を突き合わせずとも円滑なアイテム取引ができる。ほかのプレイヤーの自動販売機にファストトラベルできるのでプレイヤー間のキャンプ訪問が盛んになっており、さまざまなキャンプを目にする機会が増えた。意外なハウジングのヒントを得られたりするのはうれしい変化だ。
長所として挙げられていた記念撮影は「チームを組んで遊ぶのが楽しい」といった趣だが、さらにそれを深める試みもなされている。それが春の大型アップデート「ワイルドアパラチア」だ。このアップデートでは武器のようにショートカット登録ができる「装備品としてのカメラ」が追加され、フォトモードを呼び出している余裕がないときでも一瞬で写真撮影できるようになった。単純にカメラアイテムを追加するのにとどまらずクエストも用意されているため、「入手してさまざまなロケーションを撮影する喜び」が味わえる。
「みんなでクリーチャーを狩る楽しみ」として新たなレイドボス「偽物のシープスカッチ」が加わっている。このレイドボスを倒すためには複数人による一定の手順が必要で、オンラインゲームらしい一体感を楽しめる。導入クエストもあるので入りやすいだろう。戦うためには特殊な装置でフィールドに呼び出すという手順を踏むが、誰かがボスを呼べば通知されるので参加も容易だ。もっとも、本稿執筆時点では「偽物のシープスカッチ」戦が行われる頻度も(PC版においては)下がりつつあるが、自分が見る限り召喚すれば毎回多くの参加者が集う。
ほかにもレイドダンジョンとして「バローズ」と「Vault 94」が加わった。バローズは特殊なギミックも少なく経験の浅い者でも1人で踏破しうる内容だが、一方のVault 94は経験を積んだプレイヤー同士による協力を求める内容となっている。しかしながら、こうした「1人で遊ぶのがベスト」を覆す試みがありながらも、その試みは万全ではない。本作はパーティファインダーやマッチング機能などがないため、野良でパーティを組むのがシステム上困難なのだ。見知った仲間とプレイするのに限定されていると言っても過言ではないだろう。
サイドクエストも追加されており、レビューで言及されていた苦しくない程度の重量制限も、不足や苦痛に感じるプレイヤー向けに緩和される「バックパック」が導入された。それを入手するためのクエストを楽しめるのはもちろんよい意味でカジュアルになった。
気まぐれに遊ぶ程度には楽しめるバトルロイヤルモードが追加
アップデートによってバトルロイヤル専用モード「ニュークリアウィンター」が追加された。もともとのモードは「アドベンチャー」という位置づけになったものの、対人戦には手が加わっておらず相変わらず不毛なままだ。そしてそんなアドベンチャーではもはや争い合うことはほとんどなく、トキシックであったりスパムなプレイヤーすら見かけない状態だ。
ベセスダのディレクター、トッド・ハワードが語っていた「下種野郎をコンテンツに変える試み」は十全に用意された「敵対行動のデメリット」によってプレイヤーのもつ悪意を顕在化させることができず対人コンテンツに変える以前の段階で失敗している。フィールドで人と出会えば緊張が漂うどころかエモートで挨拶をするのが日常といったところだ。
肝心のバトルロイヤルはPUBGでおなじみのタイプとなっている。『Fallout 76』のシステムで行う対人戦闘は独特の感触をもっておりどことなく先祖返りしたような印象さえ受ける。アドベンチャーの知識だけでプレイできるのは気軽な反面、運の比重が大きく武器の強さは偏っていてペースも遅い。1回のマッチがカジュアルではないため気軽に遊ぶというわけにはいかないし、「すぐに終わってすぐに再戦」といった手軽さを楽しみたい人には向かないだろう。ただしバトルロイヤルをプレイすればアドベンチャーのキャラクターに経験値と金銭が入るメリットがあり、専用ロビーは本作のフレーバーを豊かにしてくれる独自の設定もある。バトルロイヤルは大きな売りにはなっていないが気まぐれに遊ぶ程度にはちょうどよいだろう。
このようにコンテンツの追加やバグフィックスによって早期に離れた者はもちろんのこと、これからプレイする者にも門戸が開かれている。今のアパラチアでは下種野郎が稀少な存在なのでバトルロイヤルではない対人戦はあまり望めない反面、苦手とするプレイヤーは安心できるはずだ。
また、いくつもの追加コンテンツに恵まれる一方で、メインクエストは1年経った今でもまったく代わり映えしておらず追加も変更もない。今年のロードマップにあった「人間NPCの追加」と「強くてニューゲーム」は2020年に延期されてしまった。人間とほとんど変わらない感情豊かなパーソナリティを持ったロボットがいるぐらいの世界なので、人間のNPCは素直に溶け込むだろうと信じているが、人間のNPCを求めていた人はもう少し辛抱が必要だろう。
ゲーム - 最新 - Google ニュース
December 22, 2019 at 09:02AM
https://ift.tt/38VXX8O
あのゲームは今!第4回『Fallout 76』 荒れ果てていたアパラチアの体験はどの程度再生したのか - IGN JAPAN
ゲーム - 最新 - Google ニュース
https://ift.tt/2Qfjpia
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update
Bagikan Berita Ini
0 Response to "あのゲームは今!第4回『Fallout 76』 荒れ果てていたアパラチアの体験はどの程度再生したのか - IGN JAPAN"
Post a Comment