現代では着用するのが当たり前である、下着としてのパンツ。しかしながら、着物が主流であった私たち日本人にとっては、歴史的にみるとパンツには大変なじみが薄く、新参者であると言えます。
むしろ昭和の初期くらいまでは履くタイプのパンツは着物を着用した際に下着のラインが浮き出てしまうため、下品だとされていました。では日本人はどんな下着を着用してきたのか?今回はその歴史をご紹介します。
日本にパンツはなかった
そもそも日本における下着の歴史をさかのぼると、「下着を着用しなければならない」という意識自体が江戸時代ごろまでは存在しなかったようです。
かろうじて起源かとされるものが登場するのが、平安時代。御湯殿(宮中の風呂)に奉仕する女官が活動しやすいように袴の代わりに身に着けていた「湯巻」と呼ばれる白い巻きスカートのような衣服が日本の下着の起源ではないかと言われています。
平安中期に書かれた紫式部日記には、御湯殿に奉仕する女房の「ゆまき姿」が「おかしげ」だと表現されています。
しかしながら、当時はあくまで袴の代用であり、下着と言う認識のものではなかったので、これが「下着」かといわれると否ということになるでしょう。
つまり、この時点では日本人は基本的にノーパンが当たり前だったという事になります。ちなみに、この白い腰巻は室町時代ごろになると、公家の女性の日常着となってゆきます。
日本で初めて女性用パンツをゲットしたのは豊臣秀吉
余談ですが、日本で初めて女性用のパンツを手にしたのが、なんとあの戦国〜安土桃山時代にかけての武将、豊臣秀吉だったといわれています。
彼が力を入れて推奨していた南蛮貿易において、ポルトガルの船の荷の中に女性用のパンツが入っていたという記録が残っています。
現代の感覚であれば秀吉は大喜び(?)したかもしれませんが、当時は「なんだこりゃ」の世界だったでしょうし、奥さんの淀殿が着用したという記録も、もちろん秀吉自身が着用したという記録も残ってはいません。
日本初のパンツは、どこに消えていってしまったのでしょうか・・・。
【次回に続く】
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February 23, 2020 at 11:38AM
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